早くも2021年が半分終わりました。前回の投稿から間が開きましたが、今回もPFSプロジェクトが迎えたマイルストーンについて報告します。
今年は1本目のファイバーケーブルや夜光観測用ミニ望遠鏡SuNSSがすばる望遠鏡に輸送・敷設されましたが、2021年6月、ついに主焦点装置が台湾から国立天文台ハワイ観測所へ輸送されました!!
主焦点装置(PFI)は、名前の通りすばる望遠鏡の主焦点に取り付けられる装置で、主に、約1.25平方度の視野内にある天体の光をとらえる約2400本のファイバーとその配置用アクチュエータ、6つのガイドカメラ、3つの装置制御ボックスなどから構成されています。PFIの組上げは台湾の中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA)とその協力機関の中山科学研究院航空システム研究部門(ASRD)が担当し、自分たちで開発した装置と共に カリフォルニア工科大学、NASAジェット推進研究所、プリンストン大学、ブラジル宇宙物理実験局から輸送された装置を統合、試験してきました。
この度、2021年5月に無事に必要な組上げ作業が完了し、5/14にオンラインで輸送審査会議を行いました。その結果、無事に審査を通過したため、2021年6月にハワイ観測所すばる望遠鏡に輸送されました。
現在はすばる望遠鏡に到着後の再組上げ、試験を行っているところです。輸送後に装置が無事であることと基本的な機能の動作を確認しました。ファイバー配置アクチュエータの性能などを観測時と同じ環境で試験するために、ドーム棟内にクリーンブースを設置して、そこにPFIを置いて試験を行っています。PFIを操作するソフトウェアをすばる望遠鏡に設置している観測用ソフトウェア系統に統合する作業も行われています。今後は広視野補正レンズ系との接続試験、望遠鏡に搭載しての試験などを経て、既に設置されている分光器1台目、ファイバーケーブル、位置測定カメラと統合してのコミッショニング試験に臨むんでいく予定です。