分光器の製作は今…

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フランスのユマルセイユ天文物理研究所(LAM)ではPFS分光器モジュール二台目と三台目の組み上げが並行して行われています。今回は最近の活動を紹介します。

PFSの分光器は約2400本のスペクトルを一度に取得するために、全部で4台製作されます。4台の分光器それぞれが主焦点の視野をまんべんなくカバーできるよう設計されています (右図参照) 。各分光器には青、赤、近赤外三つのカメラユニットが備えられ、380nmから1260nmにわたった、可視光から近赤外線の広い波長範囲のスペクトルが一回の露出で同時に取得できるようになっています。

分光器の組み上げと試験はLAMで行われており、今は2台目と3台目の組上げと試験が行われています。ブラジルのチームから届いたスリット、アメリカ合衆国のジョンズホプキンス大学(JHU)から届いたカメラの真空冷却容器、そしてパートナーのWinlight社から届いたカメラ光学系を組み上げ、ひとつの分光器モジュールに仕上げます。

組上げ後に検出器の像質を調べていたところ、いくつか問題や懸念事項が出てきました。今、これらを一つ一つ解決しながら進めています。

例えば、ファイバースリットの傾きが温度変化によって変わることが懸念されました。観測中は分光器を設置する部屋の温度は一定に保たれますが、メンテナンスの為に温調を止めたり、輸送中は温度が変わったりし、この時スリットの姿勢が変わってしまうことが指摘されました。これを防ぐためにスリット部分に5mmくらいのブロックを挟むことになりました。幅2.4m、奥行き1.9mの大きな分光器ですがこのような小さい部品が性能を確保するのに重要な役を果たしています。

スリットの傾きの変化を防止するブロック

また、カメラ系のフォーカスや傾きに問題があることが発覚しました。LAMとWinlight社が二台目と三台目のカメラを使った試験や調査を繰り返し、原因が検出器のサポート部分にある可能性があることが分かってきました。現在はこの可能性を検証し、解決に向けて必要な試験を行っているところです。

時間はかかっていますが、目標性能を実現するためにチーム一同尽力しています。