長期運用を見据えてよりよい装置に…

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PFSで開発している観測装置は、ほとんどのものがハワイ島のマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡に輸送され組み上げを終えています。しかし、10年間できればその先まで長く運用を行うには輸送して終わりというわけではなく、長い間装置が安定して動くことが必須になります。
PFSの開発チームは、輸送した後も、すばる望遠鏡での試験や運用を通じてより装置が安定するように議論や改良を行ってきています。

主焦点装置(PFI: Prime Focus Instrument)については、ガイドカメラの安定した運用が課題でした。それにはカメラや各所に電源供給したり環境モニタを行ったりする制御ボックスをより安定して動かせるようになる必要があります。チームで議論を続け、時々中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA: Academia Sinica, Institute of Astronomy and Astrophysics、台湾)のチームがすばる望遠鏡に来訪し、制御ボックスの修正と試験を繰り返しながら改良を重ねてきました。

中央左にあるのがPFIの制御ボックス
制御ボックスの改良作業・試験の様子

分光器についても、カメラが12台もあるので最初のカメラが完成してからも、後続のカメラの製作・試験を通して、制御系の部品に改良が出ています。カメラの制御系(パイ皿のような外見から通称パイパン”pie-pan”と読んでいます)を担当しているジョンズ・ホプキンス大学(JHU: Johns Hopkins University、米国)のメンバーがすばる望遠鏡に来訪し、最初に製作されたカメラのアップグレード作業を行いました。作業はパイパンの部品の交換や検出器を制御するエレキ部品の交換などです。この作業でカメラ同士が同じ設計の制御系を持つようになり、操作やメンテナンスがより行いやすくなりました。

パイパンのエレキ部品をアップデートしている様子

科学運用が始まって、長きにわたってPFSでサイエンスができるのを期待しています。