青カメラの一台目がフランスへ到着して3ヶ月…今回は最近の分光器の開発の様子についてお話ししたいと思います。
マルセイユ天文物理研究所では、赤カメラのみを使った試験を終え一台目の分光器の本格的な組み上げを行っています。赤カメラユニット(下写真赤矢印)には一台目の分光器に用いる光学部品が既に入り、最初の真空・冷却試験を行っています。分光器の操作に用いるソフトウェアのアップデートも行いました。まもなく青カメラ(下写真青矢印)の光学部品が届き、可視光青カメラ、赤カメラの2台が揃います。また、1台目に必要なモジュールも到着くし、最終的な組み上げがまもなく始まります。
マルセイユ天文物理研究所で組み上げ・試験中のカメラユニット。矢印のついているものが1台目の分光器に使用されます。
PFSの分光器には、3色のカメラユニットが搭載されますが、残りの1台、近赤外カメラユニットはジョンズ・ホプキンス・大学で組み立てられています。可視光線と異なり、常温のあらゆるものが光源になってしまいます。その為、特定の波長より長い波長の光を通さない「熱カットフィルター」や、検出器上に余計な熱放射が入ってくるのを防ぐ「放射シールド」といった部品の製作やカメラの組み上げが進んでいます。
左:ジョンズ・ホプキンス大学で組み立て中の近赤外カメラ。
右:赤外線放射を遮るための『放射シールド』。
また、ブラジルではファイバースリット部分の製作が進んでいます。現在は、分光器2台分のスリットのファイバー研磨が終わったところです。近い内に光学試験を行い、最終的な仕上げを行った後にマルセイユへ輸送される予定です。