以前、PFSで開発している分光器の1台目が国立天文台ハワイ観測所へ輸送されたことを紹介しましたが(詳しくはこちら)、その後、マウナケア山頂にあるすばる望遠鏡に運ばれ、再組み上げが行われました。
PFSの分光器は、カメラ、グレーティング、ベンチなど大きく分けて10数個のユニット部品からできています。この内近赤外カメラユニットを除く部品が今回ハワイへ輸送されました。
2019年11月25日、分光器のユニット部品や組上げ・試験道具が入った11個の箱が山頂へ運ばれました。箱の数が多いため、積込み作業は早朝から3時間かけてハワイ観測所の山麓施設で行われました。 ファイバースリットは、いくつかのファイバーの透過効率が低いことが発覚していた為。まず山麓施設で修理を行ってから別途山頂へ運ばれました。
翌週から、すばる望遠鏡のドーム棟4階にある分光器室へ各ユニット部品が入った箱が運ばれ、LAMやハワイ観測所のメンバを中心に分光器の再組み上げが本格的に始まりました。まず、制御ケーブルの配線やカメラの冷却、真空引きの為の配管を行い、光学ベンチを置きました。その後は、カメラやグレーティングなどの光学素子のユニット部品を再配置していきました。
輸送中に破損た制御部品の交換をしたり、悪天候の影響で作業が中断されたりもしましたが、2週間半の作業期間内で再組み上げを完了し、冷却下での機能試験を行いました。その結果、輸送前と比較してアライメントは大きく崩れていないことが分かりました。
今後、1月から本格的にすばる望遠鏡での性能評価試験を行い、輸送前と同じ性能を持っているかどうかを確認するう予定です。