毎年恒例のPFSコラボレーション会議が2019年12月9日から13日にかけてカリフォルニア工科大学で開かれました。以下、会議に参加した若手研究者によるレポートです。
この会議の目標は、装置開発の進捗状況を共有したり、各ワーキンググループの科学目標についてお互いに議論し理解を深め合うことです。すべてのワーキンググループが合同で行うジョイントセッションと、各ワーキンググループに別れて行うブレイクアウトセッションとがあります。若手研究者として、この会議は科学的アイデアを交換するのにとても重要な機会となりました。
個人的に思い出深いのは、懇親会の際にジェームス・ガン教授から聞かせていただいたお話です。ガン教授は昨年、稲盛財団から名誉ある京都賞を授与され (受賞に関しては過去の記事および公式ページを御覧ください)、それを祝い懇親会の際に短いスピーチを頂きました。その際に彼が語ったことは、装置開発において様々な問題に直面することもあるが、PFSコラボレーションは驚くべきほど友好的な空気に包まれており、実際の観測がスタートした後もこの友好的な文化が続いて欲しいと願っている、ということでした。天文学研究のやり方は、(ガン教授もリードした)スローンデジタルスカイサーベイ以降大きく変わりました。より多くの人間が共同して研究を進めるようになり、観測データそのものよりも研究アイデアにより高い価値が置かれるようになりました。PFSコラボレーションでもそのような文化が続いていくことを願います。