2018年1月、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学(JHU)からフランスのマルセイユ天文物理研究所(LAM)へ分光器1台目の可視光域青カメラユニット用の真空冷却容器が輸送されました。
PFSでは4台の分光器を開発しています。それぞれの分光器に可視光域青・可視光域赤・近赤外域の3つのカメラユニットが設置され、380 nmから1260 nmにわたった広い波長帯のスペクトルを3つのチャンネルに分けて取得します。可視光域カメラユニット用の冷却真空保持機能が付いた容器と焦点部、更に近赤外域カメラユニット全体の製作はジョンズ・ホプキンス大学とプリンストン大学が担当しています。これまでに、可視光域赤カメラ用の真空容器ががマルセイユ天文台に輸送され、ひとつのチャンネルを使った光学試験や冷却試験が行われてきました。
マルセイユ天文物理研究所で冷却試験が行われている間、並行してジョンズ・ホプキンス大学でも赤カメラと同じ設計である青カメラ用いて真空容器の冷却性能を詳しく調査していました。試験を重ねた結果、冷却性能とそれに応じた運用方針に目途が立ってきたので、1台目の分光器の開発を進めるために、可視光域青カメラユニットの真空冷却容器を輸送しました。
輸送準備をしているジョンズ・ホプキンス大学のエンジニアMirek Golebiowski氏とJosh Peebles氏
今回の輸送では真空冷却容器と焦点面の駆動部がマルセイユ天文物理研究所に届けられました。近々、検出器も別便でジョンズ・ホプキンス大学から輸送される予定です。今後は、フランスで光学部品や検出器部分を組み込み青カメラユニットを完成させます。その後、1台目の分光器へと統合され・性能試験が行われていきます。