PFSのサブシステムの内、4台の分光器はフランスのマルセイユ天文物理研究所(LAM)を中心に開発されていますが、2015年より1台目の組み上げ、試験が行われています。
今回は、マルセイユ天文物理研究所での組み上げ・試験の様子を紹介します。
下の写真はジョンズ・ホプキンス大学が開発している真空冷却機能の付いた筐体を、光学部品と組み合わせて、ひとつのカメラユニットに仕上げている様子です。こちらのアニメ―ションに表されているように、レールや冶具を使って筐体内のレンズや検出器の光軸を調整しながら組み上げられます。
さて、分光器の性能評価試験は、可視光赤カメラユニットを使った冷却試験と光学試験の2つから始まっています。二つの試験の内光学試験では、下の写真のようにファイバー光が入射するスリット部から可視光赤カメラユニットまでをつなげた『ワンチャンネル』と呼んでいる状態で、検出器上の像質や安定性の試験を行います。(冷却試験については過去の記事をご覧ください。)
(『ワンチャンネル』組み上げの様子)
下の動画は焦点位置を探している様子です。
ハードウェアの組み上げ・試験に際して、各部分の総合的な制御をしたり試験に必要なデータを取得・解析をしたりする為の専用ソフトウェアも開発されています。例えば上記の焦点合わせにも使われています。ソフトウェアは、分光器の様々な場所に設置されている温度計等の環境センサーの情報をまとめたり、駆動部分の位置・状態を管理・制御したりしています。また、非常時にはスマートホンのアプリを通じで開発メンバーへアラートが届くようになっています。