すばる望遠鏡とその観測装置は、他の多くの観測所と同様に、(望遠鏡のすぐ傍ではなく)制御棟にある観測室や遠隔地の観測施設から制御されます。更にPFSの観測装置は、望遠鏡の主焦点部に主焦点装置、カセグレン焦点部にメトロロジカメラ、ドーム建物の4階に分光器、というようにドーム棟のあちこちに設置されます(下図)。その為、これらの各装置と望遠鏡がうまく連携して観測する為には、ネットワークや制御用のコンピュータと言った設備が重要になってきます。
(PFS観測装置: PFS公式ウェブサイトを参照)
各装置の制御を統括し、望遠鏡と連携するソフトウェアの開発や設備の準備はカブリ数物連携宇宙研究機構が担当しています。これまで、以前ブログでも紹介したようにすばる望遠鏡で通信試験や大容量のデータの連続転送試験を行ってきています。
(赤い矢印で示しているのがPFS運用に使用されるネットワーク機器と大容量ストレージ)
分光器設置室の完成やメトロロジカメラのすばるへの搬送を控え、2017年3月9日にプロジェクトオフィスとハワイ観測所の間で制御装置設備の審査会議が開催されました。審査会ではすばる望遠鏡へ持搬送予定のコンピュータや運用設計、設備の性能試験について説明し、両者の間で調整が必要な項目の議論も行いました。
設備は装置の完成に合わせて段階的に搬送されますが、まずは分光器設置室の完成に合わせて4月に第一弾が搬送される予定です。