(英文)David Le Mignant (LAM)
以前、分光器で用いる可視光域カメラユニットの低温保持装置の冷却試験をジョンズ・ホプキンス大学(JHU:アメリカ合衆国)で行っていることを紹介しました。
https://pfs.ipmu.jp/blog/2015/09/p68
その後、試験を終了した低温保持装置はマルセイユ天文物理研究所(フランス)に移送されました。ここには他の共同研究機関が開発している部品も届けられ、試験用分光器の組み上げ・調整が行われています。その一環として、JHUから届けられた低温保持装置の中には、カメラの光学素子の他に試験用の検出器や焦点調整機構、温度センサが組み込まれました。
PFS分光器の可視光域カメラの開発過程の中における重要なステップの一つに、冷却機械やカメラユニットの熱設計・機械設計が検出器を160 K で運用できるかを確認することがあります。その一方でマンジン鏡やフロントリングなどの部分は室温に保つ必要があります。冷却試験では補助的なものも含め多数の温度センサを使いカメラユニット内、特に検出器周辺の温度分布を調べる他に、焦点調整機構の駆動を確認したり、検出器からの発熱量をシミュレートしたりします。
このような冷却試験は可視光域・赤外線域のそれぞれ最初のカメラだけ行う予定です。