PFSは天体の光を波長ごとに分けた「スペクトル」を使って研究をします。
分光器を使って天体のスペクトル画像を取りますが、このスペクトルの画像処理に欠かせないのが「(波長)較正ランプ」です。この度、プリンストン大学で行われていた組立と試験が終わり、台湾に輸送されました。
PFSは4台の分光器を使って約2400個のスペクトルを同時に取得することができ、それぞれの分光器には600本のスペクトルが写ります。 較正ランプは600本のスペクトルを一本ずつ取り出したり、それぞれのスペクトルの波長ごとの位置が画像の上でどのように分布しているかを測ったりするために使います。元素から出る光の波長は分かっているので、特定の元素を使ったランプのスペクトルを取れば、どの波長の光が画像のどこにあるかを知ることができます。PFSは 360–1260ナノメートルと広い波長範囲をカバーするため、6種類のガスランプを組み合わせて使います。
較正ランプは主焦点装置のてっぺんに取り付けられます。ドームの天井を一様に照らして、反射した光をファイバーに入れるためです。
較正ランプの設計と開発はプリンストン大学が担当しましたが、ランプの組立と試験が完了したので2020年6月に台湾の中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA)に輸送されました。今はASIAAで仮組上げをし、主焦点装置に取り付けられるかを確認しているところです。