一台目の近赤外カメラがLAMに到着しました!

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2022年9月はPFSプロジェクトにとってマイルストーンの多い月でした。今後いくつかの記事に分けて報告できればと思っています。

まず、ついに一つ目の近赤外カメラがジョンズ・ホプキンス大学(JHU、米国)からマルセイユ天文物理研究所(LAM、フランス)に輸送されました!

PFSの分光器は2台の可視カメラ(青・赤)と1台の近赤外カメラを備え、380nm-1260nm の幅広い波長帯のスペクトルを一度に取得します。それぞれのカメラはLAMとパートナーのウィンライト社、ジョンズホプキンス大学、プリンストン大学が開発しています。特に、近赤外カメラはカメラの真空冷却容器から中の光学系のすべてをJHUとPUが担当しています。

近赤外カメラを担当しているJHUのメンバ―

近赤外カメラは可視カメラよりも課題が幾つか多くあります(こちらを参照)。それはカメラ本体や周囲の環境が近赤外線ではノイズ光源になりやすいからで、カメラや検出器の冷却温度、光学系(レンズや鏡)に施す特殊なコーティングなどを開発しないといけません。

これらの課題を乗り越えて組み上げと試験が完了したため、2022年7月のSPIE会議中に輸送審査会議を行いました。会議中の議論と追試験の結果を受け、カメラの重要な性能はあること、可能な試験は完了したとみなされ、2022年9月についにJHUからLAMに輸送されました。LAMではこれからカメラの機能試験を行った後、分光器全体としてのアライメントを行い、最終的に3台のカメラを用いた試験へと進む予定です。3つのカメラのスペクトルが見られるのが楽しみですね。

到着した近赤外カメラの状態を見ている様子

一方JHUでは2台目以降のカメラの組み上げも進んでいます。1台目のカメラで得たノウハウを基に組み上げは一台目よりもスムーズです。2台目のカメラは一度組上げが完了し、冷却後に見つかった問題の修正を行っています。3台目の組み上げも進行しています。