PFS分光器システムを迎えるために…

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4台のモジュールからなるPFSの分光器システムはすばる望遠鏡のドーム棟4階に新たに設置されるクリーンルームに格納されます。分光器モジュールの搬入を2017年に始めるために、この階の床やクリーンルームの設計を進め、搬入・組み上げの方法を議論してきましたが、昨年8月にハワイで設計レビュー会議を行った後、いよいよ製作段階に入ってきました。

実はこのドーム棟4階では、今年5月まで「FMOS(エフモス)」という装置の分光器システムが稼働していました。FMOSはファイバー多天体分光器と呼ばれるPFSと同じタイプの装置で、2010年の共同利用観測開始以来様々な研究に有用なデータを提供してきた、いわばPFSの先輩です。PFSの分光器システムはFMOSのそれよりもかなり重く(総重量4トン以上!)ハードウェアのレイアウトも全く異なる為、床の強度補強などフロアの大規模な改造が必要です。そこで、工事はFMOSが2016年5月に運用を終了し「引退」した直後から始まり、第一段階としてFMOS分光器システムが撤去されました。

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(ドーム棟4階の写真。上側は撤去前、下側は撤去後)

きれいさっぱり、がらんとしてしまったフロアには寂しさも感じますがそれも一時のこと。2017年前半にはこのフロアはPFS用クリーンルームや新しいハッチを備えて生まれ変わり、その後PFS分光器が順次搬入されていきます。

PFSは、直径約1.4度にわたる超広視野、約2400本の天体ファイバー、380-1260nmに亘る広い波長範囲、と言った強力な機能とともにFMOSにとって代わり、すばる望遠鏡の観測装置ラインナップに加わります。