早いもので今年も残り数日となりました。2020年最後のブログ記事では、とても嬉しいニュースをお知らせします。1本めのファイバーケーブルが、ブラジル宇宙物理実験局(LNA)から輸送され、国立天文台ハワイ観測所に到着しました。

PFSは約2400天体を同時に観測できるファイバー分光器です。ハワイ観測所のすばる望遠鏡の主焦点にファイバー配置システムを載せ、ドーム建物にある専用のクリーンルームに4台の分光器を設置します。このファイバー配置システムと分光器をつなぐのが、全長約55mのファイバーケーブルです。

ファイバーケーブルは、望遠鏡を動かしているときにファイバーに余分なストレスがかからないように設計されています。2019年に第一段階の製作を終え、現在は第二段階の組み上げをLNAで行っています。

COVID-19の影響で数ヶ月実験室にアクセスできない時期もありましたが、4本の内1本めのケーブルの組み上げと性能評価試験が完了し、2020年10月に輸送審査を行いました。その結果を受け、2020年12月に無事にハワイに到着したのです。
ファイバーケーブルはまもなくマウナケア山頂に運ばれます。そこで望遠鏡への敷設と性能評価試験を行っていく予定です。