PFSは直径約1.3度の視野の中に2400本のファイバーを配置して、たくさんの銀河や星のスペクトルを一度に取得します。このファイバー配置で鍵を握るのが、「コブラ」と呼ばれるアクチュエータです。
以前、コブラの試験を紹介しましたが(こちら)、その後更なる試作と改良、試験を経て、長期サーベイ観測の遂行に欠かせない耐久性についても十分な性能を示すことが確認できたので、量産開始に踏み切りました。
2400個の「大量生産」ではありますが、短期間に2400個を一気に生産するわけではなく、長い期間をかけて生産していきます。始めは少数ずつ作成しながら生産プロセスを確認、製造ラインを必要に応じて最適化していきます。現在までにカリフォルニア工科大学へ納入されたコブラはまだ数十ですが、今後は生産レートが向上し最終的には毎週50本の納入が期待されています。納入後、初期検査と基本動作試験が行われた後は、効率の良いファイバー配置に必要な性能調査と較正を行いつつ、PFS で実際に運用するための「モジュール」に組み上げられていきます。