最近の状況は?

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前回の投稿から間が空いてしまいましたが、先月の動向を紹介します。先月はサイエンスチームも開発チームもとても忙しい月でした。

まず2024年5月には2回試験観測がありました。
PFSプロジェクトは2025年A期(2025年2月-7月)の運用開始を目指して開発の最終段階を迎えていますが、この2回の試験観測はその審査前にできる最後の観測でした。その為、装置の評価をするために標準星や暗い銀河や星のデータをなるべくたくさん撮りました。ファイバーの配置精度は、ソフトウェアの改良を続けたおかげで、誤差が20~30um程度に収まるまで追い込んできました。さらに、共同利用観測の準備として、キュー観測の準備から観測後のデータの質の評価までの一連の流れを模擬練習しています。

のべ3時間積分した銀河のスペクトルの例

また、2回の試験観測の合間には破損した分光器のファイバースリットの修理も行われました。
分光器のファイバースリットを開発したブラジルのチームから3名がすばる望遠鏡を訪問し修理作業を行いました。分光器に組み上げられた状態でスリットを修理するのは初めての試みでしたが、ブラジルのチームと分光器を組み上げたLAMメンバーが事前に手順や必要な治具について議論を行いました。作業期間は2週間という短い期間でしたが、無事に解体から再組上げまでを行い、観測に間に合わせることができました。

ファイバーコネクタを修理している様子。

サイエンスチームもすばる戦略枠(SSP)のプロポーザルの締め切りがあり、長年議論を重ねて練ってきた観測案をまとめるのに尽力していました。

今は運用開始前の審査に向けた準備やデータの解析を行っているところです。