試験観測をしました

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すばる望遠鏡で一台目の近赤外カメラの組み上げを行って数週間後、2023年04月20日から5月2日にかけて試験観測を行いました。

試験観測は約2週間にもわたりましたが、この期間に様々な試験を行うことができました。とりわけ大きな進展は、近赤外カメラを使って観測ができたことです。

PFSの2台の分光器で取得した約1200本の夜光スペクトル。ファイバーを星や銀河が写らないような位置に動かして観測しています。

上の画像は、分光器1台目の青・赤・近赤外の3つのカメラと2台目の青・赤の2つのカメラで取得した夜空の約1200本のスペクトルです。この画像から見えるように、近赤外では夜空がとても明るく沢山の輝線(夜光輝線)が写ります。遠方の銀河からの光は暗いため、データを解析するにはまず夜光輝線をきれいに取り除くかがとても重要になってきます。すばる望遠鏡とPFSを使った実際のスペクトルは今後のソフトウェア開発にとても重要です。その他にもソフトウェア開発に必要な装置の特徴を調べるためのデータを撮りました。夜光だけではなく、星や銀河のスペクトルも取得し、装置の性能評価などを行っています。

その他にも、ファイバー配置の試験、ガイド機能の試験も行いました。観測中にフィードバックをかけながらまとめた試験ができたことにより、ファイバー配置の精度の向上に成功するなど、実りのある観測になりました。

7月に予定されている次回の観測に向け、メンバーがデータの解析や議論を進めています。

試験観測の様子がすばる望遠鏡のツイッターで紹介されました。