8月19日、20日に分光器を設置するフロアの設計についてのレビュー会議が国立天文台ハワイ観測所で開催されました。レビュー会議にはカブリIPMUの他、分光器を担当している各機関、そしてハワイ観測所のメンバーが参加しました。
分光器を設置するフロアはすばる望遠鏡のドーム4階になります。フロアには4台の分光器を格納するクリーンルームが設置され、中には観測装置の組み上げやメンテに必要なクレーンや装置の安定性を確保するために不可欠な温調設備が備えられ、装置も含めた全体の重量は 15t にもなります。
フロアの設計には、クリーンルームの詳細はもちろん、他にも多くの検討事項があります。例えば、分光器の機械系制御やカメラの冷却、検出器制御のために非常に多くのケーブル・配管を設置する必要があります。また最大電力使用量が30kVA (一般家庭の契約最大電力15軒分)程度になるため、その安全性やメンテのしやすさについても検討が必要です。PFS 分光器を始め、こうした設備の多くは新規に用意しますから、すべてのパーツをこの4階まで引き上げ順次作業を進めるための手順と安全の確保は重要な課題です。こうした様々な検討・議論が、2日間にわたりみっちりと行われました。