宇宙論 -- 宇宙に終わりはあるのか?
宇宙の膨張が加速している!? これは現在の宇宙論で最も注目されている疑問と言えるでしょう。
この観測結果を解釈するためには、宇宙膨張の計算に「暗黒エネルギー」という謎の斥力を導入するか、アインシュタインの一般相対性理論の修正を考えないといけません。ではそのどちらが真実なのかを見極めるため、すばるPFS観測では宇宙の膨張の歴史を詳細に測定します。
すばるPFS観測では1400平方度という広大な領域にわたって銀河の位置と後退速度の分布を観測し、9(ギガパーセク/h)^3 という前例のない大きな領域の宇宙地図を作製します。この観測により、ハッブル宇宙膨張定数や暗黒エネルギーの密度を詳細に測定することができます。
このような緻密な観測により、宇宙の膨張がある時点で止まって収縮に転じるのか、永久に膨張を続けるのか、あるいは膨張がどんどん加速され、ついには「ビッグリップ」と呼ばれるような終末をむかえるのかについて、明らかになってゆくでしょう。