銀河の暗黒物質 -- 宇宙はどのようにして生まれたのか?

宇宙は137億年前の「ビッグバン」から始まりました。それ以降、宇宙は膨張を続け、星や銀河を形成しました。我々の住む太陽系や天の川銀河もそれらのうちのひとつです。宇宙現在の姿になる上で、どんなにはなれた距離にあっても質量のある物体同士を引きつけ合う「重力」は、非常に重要な役割を果たしてきました。 しかしながら、宇宙の「質量」のうちの80%は、光を発したり吸収したりせず、これまで直接観測されていない謎の物質、「暗黒物質」であることが分かってきました。宇宙がどのようにして生まれたのかを知る為には、宇宙の始まりから現在までに暗黒物質がどこに存在して我々の知っている通常の「物質」とどのように関わってきたかを知ることが必要です。

すばる超広視野分光器 PFS (Prime Focus Spectrograph) は、我々の住む天の川銀河と隣のアンドロメダ星雲にある約百万個の星の運動を観測することで、銀河内部とその周辺に暗黒物質がどのように分布して、どのような振る舞いをしているのかを明らかにします。銀河内部の暗黒物質探索を行うために、すばる望遠鏡の大きな視野とPFSの最大2400個の星を同時に分光観測できる能力が生かされます。

>>>さらに詳しく (研究者向け英語の記事)